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無題

たまに本を仕入れているので、新刊の案内が届く時がある。その中でもフレンドリーなメールでいつも感服するのが植本一子さん。写真家で活躍する一方で、いくつかの本を出し、才能溢れる方。同じ世代でも稀有な存在なのではないだろうか。

それはさておき、コロナ禍に小説家の滝口悠生さんとの往復書簡を発行したようで、その原稿を読まさせてもらった。話題は子供のこと、恋愛感、人間関係など色々で、今までない感覚で読み進めた。まず同じ世代の2人の感性に触れることでどこか安堵し、2人の会話を同じ机で聴いているようなそんな感じがしたのだ。もちろん、お二方の綺麗な文章のおかげだと思う。日常のなかでいろいろな事を右から左へと受け流し、時には立ち止まってまた歩き出す。子供が生まれ、その歩く速度も遅くなるだろうし、見えないものがたくさんだろう。でも歩き出す。歩いている方向が違う2人の手紙のような進展が日常に、普遍的に、存在する。それだけ。その繰り返し。感想になっていないな。だけどその往復書簡は機をみて仕入れたいと思う。